Organic*Body Art

2021年、世界自然遺産の白神山地にて制作したパフォーマンス・ムービー 

 白神山地は貴重なブナの原生林が残る場所であり、世界遺産になる前はヒトとヒトとの間でブナの伐採をめぐり相克があった。ブナは木では無いと書き「橅」と称され、日本ではヒトの役に立たない樹とみなされてきた。
 原生林の持つ力、伐採の危機から守ったヒトの尽力、この空間と生命の力を一身に浴び、歩きながら踊る空間と共演者を見付け、そこで漂泊の詩人のように即興詩を共に奏でる。
 荒々しい岩壁を伝う大雨の舞台、ブナの葉の間から虹色に光る木漏れ日、雨水が天から地へ流れるブナの樹幹流、この生きた共演者と舞台芸術は、はかり知れない驚きに満ちたものであり、発見の喜びと共に、今ここにしかない一期一会の時間を共有して「音楽をする」のだ。
 季節、天候、光、風. . . 。自然には何かが揃ったときでしか現れない美があり、その瞬間に立ち会えたとき、空間に身体を預けきり、身体の自然の動きに任せて音楽を奏でる。それは、空間、生命、音、光が溶け合い、触れ合い、共演し、共鳴した有機的アートである。

© 2024 Sachi Tanihara

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